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【狐火の家/貴志祐介】読了

昨日に引き続き読書レビュー。今回はこちら。

・【狐火の家/貴志祐介】
防犯探偵榎本シリーズ第二作。
表題作のほか、全部で四つの密室事件が収録されています。
さて、なぜこうも密室ばかりなの?って思われる方もいらっしゃるだろうから説明しますと、一作目ですべての(密室トリックの)ネタを紹介しきれなかったかららしいです。著者の貴志さんは、ある鍵屋からセキュリティについてすごく詳しい説明を受けたらしく、その知識をミステリに活かそうと思ったらしいですね。
だから、一作目から通しても密室トリック・鍵・防犯に関しては実に様々なバリエーションに富んでいます。
特に今回注目すべきは動物が出てくること。単に「鍵がかかっていた」「人が見張っていた」とかいう密室だけではなく、蜘蛛や犬が絡んだ、少し特殊な状況を作り出している所にも面白さを感じました。
テンポの良さは一作目からそのまま受け継ぎながら。
そのへんは多分、「会話の多さ」が関係していると思います。地の文による描写もあることにはありますが、密室の調査、謎解きなどはほとんど会話のみと言っていいほどです。
あと、謎解きに関しても、一作目と同様に視点を変えて行ったり工夫が見られます。

ちょっと外れますが、この作品に収録されている短編の三つ目はすでにドラマで放映されたものでした(将棋の話)。
原作読んで思いましたが、ドラマはかなりよく出来ていると思います。
視聴者にわかりやすいように、原作では少ししか説明されなかった所も丁寧に入れてるって感じ。
ドラマも引き続き期待ですね。

では、ろりこん!

by broken-range | 2012-05-03 21:51 | 読書レビュー