人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【鉄研ミステリー事件簿① 山手線パズルの巻/松原秀行】読了

読書レビューその2
久々に松原さんの作品を読みました!
「パスワード」シリーズでは、マコトたちが中学生になる前に読むのやめちゃったから(大体18作目?あたりで止まってます)、ほんと何年ぶりってくらいですね。
で、全体の雰囲気としては、ジャンルこそ鉄道ミステリーに限定されたものの、ノリや文章・キャラなどは良くも悪くもパスワードシリーズとほとんど同じでした。
松原節とでも言うのでしょうか。お馴染みの「QED(証明終わり)」や、「脱帽脱帽」、「ダジャレ推理」などなど。ああ、あの頃とまったく変わってないな~という印象を受けましたね。個人的にはもう少しパスワードシリーズとは違う路線を行ってほしかったですが、さすが鉄道一本に絞っているだけあって、鉄道(今回は山手線)に関する色々な知識を得ることができました。
鉄道ミステリーといえば、時刻表と路線図は外せないよね!っていうのが僕のこだわりですが、ちゃんと路線図も巻頭にありましたし、関係ないけど山手線沿いのおいしい立ち食いそば屋さんも紹介されていて面白かったですw
そういえば本編で紹介されてましたが、鉄ヲタには以下の分類があるそうで。

・乗り鉄(鉄道に乗るのが好き)
・撮り鉄(鉄道写真を撮るのが好き)
・録り鉄(列車の走行音を録音するのが好き)
・模型鉄(鉄道模型を集めたり作ったり線路を組んで走らせたりするのが好き)
・車両鉄(車両を見たり車両について調べるのが好き)
・駅鉄(駅を見るのが好き)
・時刻表鉄(時刻表を眺めるのが好き)
・読み鉄(鉄道関係の本を読むのが好き)
・集鉄(切符はじめ鉄道グッズを集めるのが好き)
・レール鉄(レールマニア)
・葬式鉄(廃線マニア)

主人公たち、「東花園中学校鉄道研究会」略して「鉄研」メンバーは三人。

1. 鉄道ミステリー大好きのレモン(読み鉄)
2. 「鉄っちゃん」とあだ名がついているほどの鉄道マニアのテツ(乗り鉄&時刻表鉄)
3. 大食いでダジャレ大好きのハバ松

この三人が、新宿駅から山手線一周するまでに、暗号・パズル・誘拐事件の三つを解決していきます。
個人的にダジャレパズルって、ちょっとこじつけっぽい所もあってあまり好きではないのですが、このお話はとにかくラスト――大団円の部分がすごく綺麗にまとまっていて、そこでポイントがぐっと上がりました。ほんとに「めでたし、めでたし!」というような終わり方。
うん、児童文学はやっぱりこうじゃなきゃね。本格的な謎・事件はやっぱり大人向けの推理小説のほうが断然良いですが。

あと、こういう路線クイズ(テレビ番組にも「クイズでGO! ローカル線の旅」というのがありますよね。あんな感じ)で物語書くのって楽しいだろうなーと思った。や、そのためにはその路線のことを細かく知ってなければいけないけど、でも読んでくれた人が「へぇ~」とか「おお、ここ行ってみたい!」と思ってくれるかもしれない。
「あ、この路線普段利用してる!」みたいな反響があるかもしれない。みなさんも自分の地元が小説の舞台になってたりしたらテンション上がるでしょ?
ふむ、横浜くらいなら書けるかな。だいぶ自分で色々見て回ったし。
ただそのためには執筆意欲と卒論をなんとかせねばな。

さて、次巻の主人公はレモン!
ああ、楽しみだ! では、ろりこん!

by broken-range | 2012-01-23 23:16 | 読書レビュー