人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「悪意」読了

ただいま、横浜大雨に見舞われてます。
また周辺が川のようになってるよ! 傘まったく役に立たないよ!
台風も近づいてきてるし、できればそれてほしいところ。地元の友達と遊ぶ約束しているのに、大雨じゃ自転車がこげない(←車乗れない子)
それはともかく、<加賀恭一郎>シリーズ四作目「悪意」読み終わりました。
例によって感想を。

これも僕が今まで読んだ中では、見たことないタイプの推理小説でした。
前半1/3ほどで事件の犯人は早々に捕まり、残り2/3は動機を探ることだけを追求していましたからね。
で、その中にも読者や加賀をミスリードさせる仕掛けとか色々あったのですが、思ったことを数点。
まず、盗作云々が焦点になっていた時点(本編全体では中盤あたり)では、僕も執筆しているひとりだからか、感情移入度が一際高かったです。まあ、これは後からひっくり返されるわけですが。
なにより感心したのは、過去の章 その二「彼等を知る者たちの話」~真実の章「加賀恭一郎の解明」までの流れ。
それまでの動機が見事にひっくり返される展開も驚きましたが、それよりもリアリティの高さに圧倒されました。
「彼等を知る者たちの話」では、当時の日高と野々口の関係を知る人たちの話が語られてますが、その語り口といい、いじめ問題を含めた諸々の出来事といい、とにかくリアリティがありすぎる!
なんでここまで書けるの!?ってくらい(←説明になってない) きっと、当事者たちではなく、周囲の人たち(それも10人近く)の視点から色んな情報を書くことで、より立体的に出来事が浮かび上がるようになるからじゃないかなあ、とは思ってますけどね。とにかく見事すぎる!
で、一番衝撃を受けたのが「ただなんとなく気にくわなかったから」という部分。
案外、確固とした殺意よりも、嫉妬とか、こちらのほうが人間らしいのかも、と思ってしまいました。
とにかく、東野さんの作品は一冊ごとに違った手法が施されていて良いですね。
実家に帰る前には「私が彼を殺した」まで読み終えたいところ。

では、ろりこん!

by broken-range | 2011-08-26 20:40 | 読書レビュー