人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「学ばない探偵たちの学園」読了

東川篤哉さんの”鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ”第一弾 「学ばない探偵たちの学園」を読み終わりました!

いやぁ、デビュー作と比べると筆もだいぶノってきているのが感じますねー。
探偵部の面々や教師の個性も良い感じに際立っており、自然な味のユーモア・ミステリとして楽しめる作品に仕上がっています。
殺人は複数起こるんですが、なにせ登場キャラたちが密室談義や本格談義に命を燃やすようなミステリオタクなので(特に探偵部部長が)、話が全然暗くなりません。むしろ、「これは密室殺人だ! さぁ、諸君、調査だ!」とかなんとか言って自分から積極的に事件に首を突っ込み、まわりの教師や警察関係者に迷惑をかけています。
主人公も最初は仕方なく巻き込まれる形で探偵部に入部したのですが、気付けば立派にひとりで調査しています(笑)

さて、探偵部には主人公含め全部で三人(顧問の先生入れて四人)いるのですが、各々がそれぞれ推理を語り合うのでいろんな意見が出て楽しいですねー。”みんなで知恵を寄せ合って解き明かしていく”感じが出てて。
例を挙げると、作中で”振り子からイメージできるものを述べよ”みたいな問いがあるのですが、その答え方も
「振り子時計ですかね」
「振り子打法やな」
「フーコーの振り子だね」
「いやいや、ロープを使った本格トリックでしょう!」
と、実に様々です。
ちなみに、僕が振り子と聞くとまず思い浮かべるのは四つ目です。
うん、希ちゃんも十分探偵部に入部する資格があるかもしれない(脳がミステリ色に染まっているという意味で。 ※だからといって灰色とは限らない、悪しからず)

そうそう、今回は現場周辺の見取り図が示されたときに、あるトリックを思いついたのですが、謎解きのシーンにてまさに僕が思い描いていたトリックを、
「状況さえ整えればその可能性もあり得るだろうが、今回の密室には向いてないだろうね。検討にさえ値しないといっていい――」
と見事に一蹴されました。
燃え尽きた……もう、疲れたよパトラッシュ……←違う
まあ、実際はけっこう偶然が重なった真相でしたが、でもやっぱり自分が考えていたのとは異なる真相のほうがうれしいです。
「え!? これじゃ、違うの!? じゃあ、どんなトリックなのよ!?」みたいな感じで謎解きが楽しみになりますからね。
ふむ、このまま東川さんの作品揃えようかしら。面白いし。

では、ろりこん!

by broken-range | 2011-07-13 22:07 | 読書レビュー